多分、バイトくんは私が注文を言ったと勘違いして聞き返したのでしょう、とりあえず餃子を頼んでおきます。

一応二人いるんだから、二品は頼まないと悪いと思ってです。こういうところ、マキトは相変わらず適当です。

本当にこの人、遠い土地で一人で暮らせているのか心配になってきます。

「それで、さっきの話だけど」

「ああ、うん」

「ちゃんと聞いてたよ、えっと、『忘れられた人間は死んじまう』だろ」

なんだか切なそうな顔をしてマキトは言いますが、騙されはしません。

「なんでそう本筋と関係ないことばっかり聞いてるのよ……」