「いらっしゃいませー!」

アルバイトの威勢のいい声を受けて、私は店内に入ります。

「お一人様ですかー、お好きな席どうぞー」

店内には数えるくらいしかお客はおらず、一番隅のテーブル席に、私は見慣れた後姿を見つけてまっすぐ歩み寄りました。

この店はランチと深夜にやたらと混みますが、それ以外、逆に夕食の時間なんかは結構閑散としています。

私とマキトは家から近いこの店をよく訪れては、この一番隅の席でラーメンを食べながらダラダラすごすのが好きでした。

「どういうこと!」

私は腰を下ろすのと同時に、マキトに声をぶつけました。