そう言って、半透明な唇が私の口を塞ぎました。

私は消えかかるマキトに必死ですがりつき、一生分ではないかと思うほどの涙を流しました。

抱きしめれば抱きしめるほど、彼の体は手ごたえがなくなっていくようでした。

ほとんど光の入らないライブハウスでも、入り口の扉からわずかに朝日が差し込んでいました。

薄いスポットと細い朝日の光が重なる中



私の大切な人は



今度こそ本当に私の前から消えました。