「なんで」

「なんかおかしい、なんかおかしいよそんなの、マキトっぽくないよ」

私はどうしようもない気持ちをうまく言葉にすることが出来ず、ただひたすらマキトをにらみ続けます。

「と言われてもしょうがないのはわかってるよ……まあとりあえず、そんなとこだ」

マキトは困った顔をして、目を逸らすように言いました。

「つまり、三年前、私は裏切られたってことね」

「と、言われてもしょうがないのも確かだ」

「確かだ、じゃないわよ」

今度こそ右拳をマキトの脳天に。

ぐあっ、と呻いてマキトがこちらを見るので、そっぽを向いてやります。

「で、その裏切り者の元カレは何しに来たの?」

できる限りイヤミったらしく言ったつもりだったけど、マキトは笑いながら言いました。



「なんか、ミヨが悩んでる気がして」