「あ、携帯鳴ってますよ、ユキさん」

助手席でミヨちゃんが言う。

「あー、ちょっと見て、誰からかな」

そう言うと、ミヨちゃんはシートの間のドリンクホルダーにつっこんであるアタシの携帯を取った。

「えっと…あ、マキト…からです」

「あ、じゃあえっと、待って」

アタシはそう言って車を道の端に止める。

ハザードランプをつけて、ギアをパーキングに入れ、ミヨちゃんから携帯を受け取る。