ユキさんの言っていることはわかります。でも、だからこそわかりません。

最後に行こうと思っていた場所、そんなに想いの強い場所なのに、わからないかもしれないだなんて…

「印象…印象…んー…そう言えばさ、マキトの第一印象ってどんなだった?」

「へ?」

「いや、最初見たとき。マキトについて話してればなにか浮かぶかもしれないし」

ユキさんは自分で言っておきながら、私と同じように口にフォークを咥えて尋ねます。

「行儀、わるいですよ」

「おねーさんに口答えするでない」

なんだか、ユキさんの雰囲気が少し変わった気がしました。

「はあい」

「よろしい、お姉さんは素直な妹を持ってうれしいわ」

私はニコニコと微笑むユキさんに向かって照れ笑いを返しました。