もちろん、毎回完全に同じ位置で遊んでいたわけではありませんが、大体の位置に目星をつけて、

私はしばらく、マキトとの思い出を辿るように海岸の一部をうろうろと歩き回りました。

「…あれ?」

私は、貝殻とゴミだらけの砂の中に奇妙なものを見つけます。

潮風にさらされているにはあまりに綺麗な、それは写真立てでした。

「ユキさん!」

私はそれを拾い上げて、大声でユキさんを呼びます。

私から少しはなれて海を眺めていたユキさんは、早足で私に近づいてきます。

「昨日、もしかしたらここで待ってたのかなぁ…」

私は、涙をこらえてその写真立てをユキさんに差し出します。

「まったく、ぐーたらなんだか律儀なんだか…それにしても、愛されてるねえ、ミヨちゃん」

「はい…」

涙をこらえて答えます。



その写真立ての中には、夕日を背にして、カメラを持ったマキトに照れくさそうに微笑む私がいました。