海岸へと向かう車の中でユキさんは説明してくれました。

「多分ね、マキトが今この世界にいられるのは『思い出』の力とかそんなだと思うのね」

「思い出、ですか」

私がオウム返しにするとユキさんは片手をハンドルから離してヒラヒラと振ります。

「なんかこの推測こっ恥ずかしいんだけどね」

「聞かせてください」

「うん。まず、マキトは4日しかいられないって言ったんだよね」

「はい」

「最初の日、ミヨちゃんはうちの店に来たよね」

「はい」

「多分、マキトに思い出の力を送ってるのはミヨちゃんでね、それが途切れたんだ」

ユキさんは少しスピードを緩め、コンビニに向かって左折のウインカーを出します。

駐車場に車を止め、続けました。