それから私達は、シャワーを浴びて、着替え、車に乗り込みました。

朝ご飯は道すがら買うことにして、車は走り出します。

ちなみにユキさんの着替えは私の服です。

「うーん、センスはいいんだけどね、ちょっとアタシにゃおとなしいかな」

淡いパステル系の色を好む私と、黒やレザーの服を着ることの多いユキさんでは、ちょっと噛み合いません。

ただ、言ったら怒られそうですが、私の服を着たユキさんはなんだか少女のように見えました。

「さて、じゃあまずはミストに行くよ」

「はぁ」

助手席でユキさんをぼーっと見ていた私は反射的に返事だけして、それから意味を考えます。

ミストに行く…。ドライブの目的はまだ教えてもらっていません。

ただ、ユキさんは無意味なことが嫌いです。だからこそ、私は信じて助手席に座っているのです。