「違う違う、俺が陽菜の行き先を訊いただけ」



彼の言葉に頬が熱くなる。



「陽菜のやきもち可愛い」



そう言って頭を撫でる月夜。



私は笑う月夜の肩を掴んで、



触れるだけの、キスをした。



「陽菜…?」



驚いて目を見開く彼に私は先を歩く。



「私を不安にさせた罰」



振り向くと月夜は顔を押さえてうつ向いていた。



「月夜?」



覗き込むと真っ赤になった耳が見えた。



「マジで陽菜可愛いすぎ」



重なる唇に想いをのせる。



触れ合って



抱き合って



絡まり合う。



夜、私を照らすのは



あなたという存在だけ。



END