初めて人から言われた。どう答えればいいのか分からなかった。今までにそんなことを聞かれたことがないからだ。
「どうなの?」
「え?何が・・・?」
「だから、あんたが超能力者かって聞いてるの」
「えっと・・・」
どうしよう、答えるべきなのか?しかし、下手に答えると周りに言いふらされる危険だってある。そんなことをやられるとおしまいだ・・・!
「じゃあ、これを見たら言う?」
そう言うとそいつは、手の上でカッターを浮かせていた。ただ浮かせていた。
「お前・・・、何を?」
「見て分からない?浮かせてるのよ」
「そ、そりゃ・・・見たら分かるけどさ・・・」
そいつは不思議とも思っておらず、当たり前のように浮かせていた。
「これで言う気になった?」
「う・・・」
「おい、そこで何やってるんだ?」
教室の入り口の方を見ると、今度はどこかの教室の先生が立っていた。
「あ、いやその・・・」
「もう下校は過ぎてるんだぞ。早く帰りなさい」
「あ、はい」
女子生徒も一緒に返事したからか、その先生が急ににやけだした。
「お前ら、その年ならわかるが、もう少し場所を選んだらどうだ?」
「う・・・さようなら!」
話し方が変わったからか、女子生徒は少し怒った口調で帰って言った。
「おい、彼女も帰ったし、早く追いかけたらどうだ?」
「か、彼女じゃ・・・。さようなら」

何だったんだろうあいつ・・・。変な能力も見せてくるし、カッターだって・・・。
「て言うか、カッターはどこに行ったんだ?」
「ここよ」
校門の裏から、突然あの女子生徒が現れた。その手には、カッターが握られた。
「お前・・・」
「さあ、答えてもらうわよ。あなたは超能力者?」
またその質問が出された。
「ぐっ・・・!」
何だ!?急に体が固まった。動くことができず、そいつがじわじわと近づいてくるのを見ることしかできなかた。