毅から電話。


もう修復不可能かと思っていたから、慌てて飛び付いた。


電話を切ったら、君代が身を擦り寄せて聞いて来た。

「何だって?」

「…今すぐ二人で来いって」

「どこに?」

口ごもるのも仕方ねえよな。
元カノんちになんて喋れねえし、今カノの君代に。


…でも行かなくちゃ。


毅と仲直りしたい。


「いいよ、聞かないよ。毅くんが言ってきたんでしょ?純にとって大切なら、君代にも大切だから。一緒に来いって言って」


「…一緒に来て下さい」


「うん」


君代は抱き着いてキスしてきた。小さな顔に並んだ瞳がオレを見詰めてる。キスを返して抱きしめると、立ち上がって服を着出した。


大至急って約束したから。


君代の腕を引いて階下の君代ママに訳を話した。


「こんな時間にすみません。友達から、何か大切な用事を言い使って、今から出ます。行き先が瀧澤さんという女の子の家です。君代さんの携帯を連絡つくようにしておきますので、もしよかったら一緒に連れていってもいいですか?」


君代ママはびっくりしていた。


「…何で君代もかしら?」

「ボクの親友が、一緒に、と頼んで来たので」


しばらく君代ママは黙っていたが

「…クルマで送って行ってもいい?」

「え?いいんですか?助かります」


君代はママの申し出にイラッとしていたが、3人でクルマに乗った。