母の治療に必要な物リストを看護士さんから渡され、
院内の売店に買いに行った。


麻酔から醒めて、痛みがひどいのか、母は呻き続けている。
その呻き声から逃げ出したくて、用事が出来るが否や飛び出した。


私は冷たい娘だ。


その痛みに私も呻きたくなる。


売店の窓から綺麗な庭が見えた。


買い物をぶら下げて、ついフラフラと庭にさまよい出た。


春の昼下がり。

たゆとうような時間。

なのに私は病室に、子宮外妊娠で死にかけた母が、恐ろしいような声を出して待っている。