さて、純がいなくなった事を、どう話すべきか。


とにかく昼飯を買って行くのが先決だ。


コンビニで適当に見繕って、病室に戻ると、カーテンの引かれたベットの脇に座っている瀧澤がいた。


瀧澤のお母さんは眠っている。


初めて見たが瀧澤に良く似た寝顔だった。


「悪いから廊下にいるよ」


「待って。母も寝たし、私もここを出るから」


瀧澤はカーテンから出て来た。病室は二人部屋だったが隣は誰もいないようだった。


「廊下でなくても平気よ。ここで食べましょ。…花巻くんは?」


ほら、来た。


「純は…」


「大丈夫。分かってるから。毅くん、ありがとう。頂きます」


「…頂きます」


分かってる?分かってるにしては瀧澤は落ち着いた様子だ。