ファンタジー
完
エスペランサ/著

- 作品番号
- 19784
- 最終更新
- 2007/07/22
- 総文字数
- 1,676
- ページ数
- 2ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 120
- いいね数
- 0
「エピテランサ」
投げやりな気持ちを落っことすように、力なくパン生地をテーブルに叩きつけた。
ふいに、パン生地からささやく声がした。
「エピテランサ」
空耳だろうか。独り言だろうか。
いや、声が明らかに違った。小さな男の子の声だった。
そもそも、パン作りになど興味がなかった。
「パン」というネーミングに問題があるのかもしれない。
「え、パン?パンかぁ、パンねぇ」などと、パンパンパンパン連呼しているうちに、
自分の心も体も、空気のぬけた風船みたいになっている。
それに「パン」は、あまりにもあっけない。
「パン」
もっとゆったりと長く生きたいものだ。
要するに、その頃の私は、パンどころではなかったのだ。
投げやりな気持ちを落っことすように、力なくパン生地をテーブルに叩きつけた。
ふいに、パン生地からささやく声がした。
「エピテランサ」
空耳だろうか。独り言だろうか。
いや、声が明らかに違った。小さな男の子の声だった。
そもそも、パン作りになど興味がなかった。
「パン」というネーミングに問題があるのかもしれない。
「え、パン?パンかぁ、パンねぇ」などと、パンパンパンパン連呼しているうちに、
自分の心も体も、空気のぬけた風船みたいになっている。
それに「パン」は、あまりにもあっけない。
「パン」
もっとゆったりと長く生きたいものだ。
要するに、その頃の私は、パンどころではなかったのだ。
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