「え?」 俺は拍子抜けした返事をした。 「あの…聞いてたんですか?」 「ああ…わりい…そいつ 俺の犬でさ… そいつも…昔君と同じ目 してたんだ」 「え?」 「この公園の隅っこかな? 土砂降りの雨の中そいつ 震えてた…俺が近付くと 怖がるんだ。 まるで人間に怯えてるように―。 そいつは体もボロボロで 多分前の飼い主に暴力振るわれたんだな…」 「……」 彼女は黙って聞いていた。