先生、教えて【短】




「…無理だよ」


「なんでぇっ…」


「―お前は、生徒だから」


まるで自分に言われたような言葉に、
ショックを受けた。


でも会話はそれだけじゃ終わらなくて、

さらにヒートアップする。



「なんでっ、なんで?
あたしは先生のこと、ずっと好きだったのに…」


とうとうその女の子は泣き出してしまった。


先生は顔を歪めて、
ごめんな、と言い続けていた。

女の子はそんな先生を見て、





「…風花ちゃんなら良いの…?」

出された自分の名前に、嫌な予感がした。


聞いてはいけない、と頭の中でサイレンが鳴り続けている。

それでも、あたしの足は動かなかった。



「は…?」

「風花ちゃんと付き合ってるんでしょ!?
あたし知ってるんだからっ!
先生と風花ちゃんが毎日その部屋で勉強してること…」


先生は目を見開いて、女の子を見ていた。

どうして知ってる…そんな目で。