「いい加減、ただの生徒と教師の関係から抜け出したかったからな」
『せんせ…』
「―お前のこと、独占したくなったんだ」
…やばい。
先生が好きすぎて、どうにかなりそう。
先生はそんなあたしを見て、
意地悪そうに微笑んで、
「風花は?」
『え?』
「風花の気持ちが聞きたい」
…そんなの、そんなの決まってるじゃん。
あたしはずっと、先生のこと――。
『……好き』
口にした瞬間、顔から火が出そうなほど、
恥ずかしくなった。
先生はそんなあたしを見て、
満足気に微笑んで、
「―名前で呼んでよ」
…なんで無理難題言うんだ。この人は。
『……り』
「聞こえないよ」
『……な、成……』
その瞬間、先生はまたあたしの唇を奪って――。
「―愛してる」
囁かれた言葉に、涙があふれた。

