先生、教えて【短】



「薄々自分じゃ気付いてたけど、なかなか認めたくなかった」


『………』


「でも、テスト返した時のお前の笑顔を見て、
はっきり自覚したよ」


先生から紡がれていく言葉を、

あたしは呆然と聞いていた。


先生はそんなあたしを見て、
くすり、と笑ってから、






「お前が―、風花が好きだ」


先生のその言葉に、
目を見開いて驚いた。





『…なん、で』

やっと出た声は、ひどく掠れていた。



「言っとくけど、嘘じゃないよ」


『…そういうことじゃない』


こういう時まで余裕な先生にむかつく。

あたしは先生に見つめられるだけで、
いっぱいいっぱいなのに――。



『…桐山さん』

「………」


その単語を告げると、先生は少し驚いた様子だった。



『あの日…桐山さんに告白されてたじゃん』


「…まぁ」


『その時…テストが終わったから、
あたしとは関わる機会もなくなるって…』


「それは、その日に告白しようと思ってたからだよ」


先生から伝えられた衝撃的な事実に、
またもや目を見開いて驚いた。