先生、教えて【短】



『な、なんでこんなこと…』


「………」


あたし生徒なんだよ?

それに会いたくないんじゃなかったの?


聞きたいことはいっぱいあるのに、
上手く言葉にならない。


先生は黙りこくったまま、口を開こうとはしない。

ただ、あたしを見つめているだけ。


強い気持ちがこもったその視線にあたしは、耐えられなくて、

ただ握りしめたシーツを見つめていた。






「―なんで、避けてた」


やっと先生の口から出た言葉は、
とても低くて、先生の声とは思えなくて。


そんなことでもドキドキしてしまうあたしは、
やっぱり重傷だ。



「テスト返ってきた時、あれだけ喜んでたくせに、放課後来ないし。

次の日に問いただそうと思ったら、
避けられてるし」


『そ、それは…』


あんな場面、見ちゃったからだよ。


しかも、しかも先生その時――。





「お前がいなくて、寂しかったよ」


『は……?』


先生の言った言葉を、現実として受け止められなかった。