彼女の存在を知ったのは去年の俺の最後の中総体だ。 野球で地区優勝した俺たち。 彼女は自分の学校の応援に来ていた。 自分の学校の生徒が負けたのをみて、悔しそうに涙を流した彼女を、俺は覚えていた。 可愛いと思った。 純粋な子なんだな、と思った。 でも、場所も場所だし、 何よりも、他中の子だし、 声なんてかけれなかった。 *