「これ…?」


「あ…それ、あたしが作ったやつ…」


剛の手の中には、くしゃっとひしゃげた、チョコレートの包みがあった。


「せっかく、可愛くラッピングしたのに…」


落ち込んでいるあたしを、剛は明るく励ましてくれる。


「味は変わんねーって!!!!奈緒が作ったんだもん、甘くて美味しいんだろうなあなあ、食べてもいい?」


「うん、食べてみて…」


パクッ…


「にッ…苦ーーーいッ!!!!」


「ふふふ…」

引っかかった☆


「奈緒ッ!!!俺が甘党なの知ってるくせにッ!!!!」


「はは☆」


イタズラしちゃった。

でも、いいよね?
ちょっとくらい苦い方が。

きっとこれから、もっともっと、甘い出来事が待っているんだから…




「…ね?どんな味?」


「こんな味☆」


ちゅっ


「ふっ…不意打ち禁止ーーーーーーー!!!!!!!」



END