ラブストーリーを一緒に

インテリア重視の文字盤のない掛け時計を見上げると、時刻は20時過ぎ。


お母さんから、少し時間を遅らせて行った方が今日は親切だって聞いたけど、


「原稿がまだできてないって、予測してたのかな…」


ソワソワと落ち着かなくて、革張りのソファの端っこにちょこんと腰をおろした。


ソファは手触りが柔らかくて、素人のわたしが見ても高級品だとわかる。




…こういう場合、お茶とかいれてあげた方がいいのかな…




でも勝手にキッチンを使うわけにもいかないし、声をかけると邪魔しちゃいそうだし…




カチコチと、時計の針が動いていくのを、親の敵なみににらみつけるわたし。


何かに集中しないと落ち着かなくて―――