ラブストーリーを一緒に

わたしは思い上がってたんだ…


先生がわたしからヒントを得て、連載を書き終えることができたなんて、真に受けて―――


先生の作品は、次々に映画化やドラマ化されているというのに、


わたしが何をしたところで、先生は…




「あがれよ」


「………へ?」


「原稿はすぐ完成させるから、ちょっと待ってろ」


先生はそう言うとわたしの頭をポンポンと撫でて、中へと戻っていく。


「……ったく…何が何でも終わらせないといけないじゃねーか……奴の計算か…?」


先生はブツブツと呟きながら、奥へと引っ込んでいった。


わたしはというと、そんな背中をポカーンと眺めるだけ。




…別に、怒ってるわけじゃないのかな…?




「おじゃまします…」


もはや勝手知ったるリビングに足を踏み入れて、待たせてもらうことにする。