―――…しばらく経っても何の音沙汰もない。 「留守なのかな…?」 どうしよう… …ていうか、このパターンって前と一緒じゃ――― そう思い付いたとたん、インターフォンからザザッというノイズがして――― 「―――はい」 低い、先生の声だ。 「ああああのっ、深見ですけどっ」 動揺して声が裏返りそうになる。 いや、全く一緒でしょコレ!!! 「……あぁ、思ったより早かったな。開いてるから入れよ」 そこで一方的にブツッと通話が途切れた。