ラブストーリーを一緒に

それでも、



相変わらずお洒落な先生のマンションへ足を踏み入れた時、更に気分が高揚していくのがわかった。





…先生がどう思ってたとしても、わたしにとって、『香月遥』は特別なんだもん。



たとえ小説の主人公になれなかったとしても、ちょっと夢みるくらい…いいよね…?



ドキドキとうるさい心臓を宥めすかしながら、『香月』とかかれた表札を前に深呼吸を一つ。





だって、ずっとずっと、憧れてた人で。



雲の上の存在で。



そんな人に招かれて、実際お話ができるなんて…
(理由はさておき)



こんな夢見る乙女みたいなシチュエーションで、興奮しない方がおかしい…!





「えい…っ!」



気合い一発、呼び鈴を押してやった。