ラブストーリーを一緒に

せめて前もって教えてくれてたら心の準備が…


うぅん、むしろお母さんには感謝をしなくちゃいけないんだよね。


成り行き上でもなんでも、わたしが香月遥のアシスタントになれたんだもん。


「…あの手で…生まれてくるんだ…」


さっき手首をつかまれた時の感触が、まざまざと思い起こされる。


おっきな手だった。


何でもつかめそうな、硬くてごっつい骨張った手。


あんな男臭い手で、どうやったらあんな繊細な物語を紡げるんだろう。