ラブストーリーを一緒に

「あ、あの…深見佐和子ですけど…」


さっきまでの強気はどこへいってしまったのか。


ガチャっとインターフォンが通じたノイズを察知すると、何かを言われる前に焦って名乗るわたし。


ほんとはここで、逃げていればよかったのに。








「―――はい…深見さんね」




え―――




随分と落ち着いた返答に、全身が凍りついていく。




―――なんで…?




先生じゃない




女の人がいる。




そう、認識したとたん、その扉に背中を向けて、走り去りたくなった。