ラブストーリーを一緒に

この声を聞いてしまったらもうだめだ。



気持ちが落ち着くまで我慢しようと思ってたのに。



人の気もしらないで…






「…何か、ご用ですか?」



なるべく変に思われないように丁寧に言ったのに、うまくいかずにつっけんどんな言い方になってしまう。



わたしってほんと、ダメなやつだ。



「あぁ…今日帰りに家寄れるか?」



「……なんで…ですか……?」



なんで



なんで誘うの?



もうわたしと会うことなんて―――



一瞬、泣きそうになるのを懸命にこらえる。



こっちばっかり動揺してて、バカみたいだ。



「見せたいもんがあんだよ。夕飯も家で食わしてやるから、来いよ?」



「あっ…ちょっ…」



そこで無情にも通話は途切れた。