小説の中とは違って、考えてることがわからないから。


どうしてそこで不機嫌になるのか、とか


さっきまで優しかったのに突然意地悪になるのか、とか


今だって、自分から質問しといて何の興味もないってリアクション…





ふぅっと気付かれないように息をつくと、森くんがひょいっとわたしを見た。




やばい…今のため息ばれた…?




そう思って全身を固くしていると、森くんはあっさりと言い放った。




「今日テニス部ミーティングやるらしいから遅くなるぞ」


「あ…そうなんだ…」


テニス部のミーティングは長くなることで有名だ。


部長以下、全員が熱血系で最後先生が強制的に帰宅させるまで、熱いテニス談義が繰り広げられるという。


ようするに、みんなテニスバカなのだ。


わたしはいつも羨ましいと思ってる。