心臓が、はち切れそうなくらい痛い。


寒いはずなのに、じめっとした汗が出て足元が震える。


やがてキキッと車が停車する音が聞こえて視線をあげると、彼女一人が乗り込んで発車していくところだった。


先生は白い息を吐きながら、ただじっと車を見送っている。




その場に駆け付けたい衝動と、ここから逃げ出したい想いと。


自分の中で攻めぎあったまま、金縛り状態のわたし。




ショックは、ショックだったと思う。




でも何よりも、自分の中で納得してしまっている部分もあって。




あまりに世界が違いすぎて自分と比べることすらできなくて。