ラブストーリーを一緒に

う、うそ…


思わず植木に見を隠してから、改めてそっと視線を戻す。


「せ、先生…!?」


ここから少しばかり距離はあるものの、あのオールバックに鋭い眼差し、すらっとした長身にモデルのように絵になる出で立ち――


「…あ…」


バーへ食事に連れて行ってもらってから、何日も経ってない。


それなのに、もう何ヶ月ぶりに会うように懐かしい、安心感が込み上げてきた。




―――もう、なんて思われたっていいや




先生の側にいって、声が聞きたい。




話がしたい。




そんな気持ちのまま一歩を踏み出した時、ようやく先生が一人じゃないことに気が付いた。


「今日はありがとう」


そう言って微笑んだ彼女は、身体のラインにピタリとフィットした黒いワンピースでその抜群のプロポーションを披露し、


ファーのジャケットに華奢なハイヒールが、わたしを奈落に突き落とす。