ラブストーリーを一緒に

「わからない…」


頭の中でぐるぐると考えていたはずの言葉が、自然と口から漏れてしまっていたみたい。


「わからないって、何が?」


わたしは、まるでそこに先生がいるかのように、じっとトモを見つめた。




「男の人の気持ち」




本当にポロッと、


思わず口を滑らせて内心慌てたけど、意外にもトモは表情を変えずに、


「そりゃあわからないでしょ。だって女のわたし達とは違う生き物なんだから」


と言って、お弁当に目を移した。


「そ…っか…」


なんだかその反応に拍子抜けしてしまったと同時に、妙に納得して、わたしもお弁当箱のフタを開けた。