そうだった―――




『この男は、まー酒は飲むわタバコは吸うわバイクかっとばすわ女と遊ぶわ、おまけに締め切りはほとんど守らないわ…全くとんでもない不良作家だけど…』



って、そういえば最初にお母さん言ってたじゃん―――



そりゃ、普通に考えたら、先生が女の人と付き合ってるって思う…けど…



先生と出会ってからこれまでが、むしろわたしにとって幸せすぎたから。



想像すらつかなかったわたしは、バカだ―――








「先…生…彼女いたんだ…」



母親の手前、なんとか平静を装ってみる。






……うそ……






足も手もガクガク震えて、急須にお湯も満足に入れられない。



おまけに泣くのをこらえるかわりに、胸が焼け付くように痛むときた。