ラブストーリーを一緒に

「あの人が見てた夢っつーか…そういう世界を知りたいと思った。
そしたら…いつのまにかこうなってたってわけだ」


先生はそう締めくくると、はじめてわたしの方に目を向けて…


ギョッと驚いた。




「おま…っ!?何泣きそうになってんだよ…!?」


「せんせー…」


たまらなく、先生の手にただ重ねていたものを、ギュッと握る。


先生が振り払おうとしないから、ますます気持ちが抑えられなくて―――




「わたしは、先生にいっぱい夢をもらってます!それはとっても幸せなことです!」


自分でも何を言ってるのかわからなかったけど、先生には伝わっただろうか?


「あー…わかったから、座れ」


勢いあまって先生の手を握りしめながら立ち上がっていたのに気付き、


わたしは真っ赤になりながら、慌てて先生から離れてしおしおと腰を落ち着けた。