ラブストーリーを一緒に

先生はグラスを見つめながら、心はどこか別のところにあるようで。


いつもは鋭い眼光が、寂しそうに見えた。




「彼女は、俺が外でどんな悪さをしたとしても、親父が若い愛人を作って家をあけることが増えても―――

自分はずっと幸せな家庭を築いてるって夢見てた」


そのまま親父に捨てられて、家庭は崩壊したってのに―――




「先生…」


わたしは何を言ったらいいのかわからなくて、


でも何かしたくて、テーブルの上に置きっぱなしだった先生の手にそっと触れた。


「馬鹿な女だと思うか?」


拒絶されることを覚悟してたのに、先生はされるがままだ。