ラブストーリーを一緒に

その間先生はというと、どこか遠くを見ているようにぼんやりとグラスに口をつけたいた。


あの時、


そう先生の部屋のベランダで、煙草をふかしていた時のように。


時々こんなふうに、自分の世界に入ることがあるんだ。


そういう変化に気付ける距離に自分が今いれることが、誇らしかった。





「先生は…」


「――――ん…?」


心の中に浮かんだ疑問が、勝手に口から出てしまう。


「先生はどうして恋愛小説を書こうと思ったんですか…?」