「……っ!?」 耳から脳にではなく、自分の頭の中から、別人の声が聞こえた気がした。 そうだ……母さんは? 普通の時は、何時もの様に病院に居ると思うんだけど。 しかし、ぼくの目は必然的に足元の血跡を目で追っていた。 それは階段に点々と付いており……。 ぼくは足元に転がっていた着替えの入った鞄を蹴飛ばして、一段抜かしで階段を降りようとした時――― 「クロー?」 .