僕の中の十字架


「失礼しまーす、先生ー?」

「ああ、宮崎くん」


先生は放送室の出入口のすぐ近くに立っていた。


「はい日誌。明日は朝から配って欲しいものがあるから、明日の朝職員室に来ること。いいね?」

「はい」

「はいさいなら早くおかえり」

「………」


一分しないうちに用事すみましたか……。

出ようとした際、ぼくがうっかりけとばしたゴミ箱を拾い上げようとしても、


「先生やるからほらはやく帰りなさい暗くなるわよさあ!さあさあさあ!」


と早口に巻くしたて、ツッパリでぼくを廊下に押し出した。

先生、ツッパリの力がなんとも……。

じゃなくて、先生といい野田さんといい、一体何なんだ。
っていうか、ぼく嫌われてるのかな。

うーわ、なんかショック。

ちょっとへこみながらも、歩き出して数秒後、先生に呼び止められた。


「何ですか?」


困った様に目を泳がせて、軽く明後日の方向ばかり見ながら声を出した。


「あのさ、宮崎くん。野田さんの……」

「野田さんの、何ですか?」


さっきも似たようなやりとりをしたなあ。


「いや、野田さん、落ち込んでなかった? ちょっと言い過ぎたかなってさ………」

「………まあ、少し様子が変でしたが……」


っていうか先生も様子が変です。


「あらら、大変!教えてくれてありがとう宮崎くん!はいさよなら!」


言うだけ言ってさっさと扉を閉めてしまった。

…………。



「変なの」



不思議に思いながらも、ぼくは歩き出した。



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