僕の中の十字架


「あのさ、宮崎くん。あの、私の……」

「野田さんの、何?」


野田さんは言葉に詰った様子で、暫く沈黙が続いた。正直、こういう沈黙が続くのは気まずいのだが。

はたから見れば告白シーンの様だが、


「私の、さ………。あの……」

「どうしたの?」


野田さんは何だか脅えている様にも見える。
心配になって二歩近寄ったら、野田さんも二歩下がった。

何に脅えているのだろうか。


「だ、大丈夫っ。なんでもないよっ」

「そう?ならいいけど」

「あの、先生が宮崎くんに用があるって!ほら、宮崎くん明日日直でしょ!」

「あ、そうか。教えてくれてありがとう」

「先生放送室に居るから、じゃね!」


言うだけ言ってさっさと階段に走って行くのだ。

いや、逃げている様にみえる。

大丈夫に見えなかったのだが。

それに、何故放送室で説教?
丁度空いてたのかな。

ま、いっか。



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