神様になりたいと思っていた。
神様になれないと解っていた。

この前、映画で見た。―――時間を遡って、子供の時体験した過去をまた体験し、また違った事をする。そしたら未来が代わる。しかしそんな能力を行使する男は、毎回未来に戻る度に驚愕した。思い描いた未来はひとつもなかった。


悪魔に取り憑かれて、最後まで戦い抜いた女性の話。彼女は死んでしまったが、彼女の事は映画になり世界に反響を呼んだ。


そんな人を、“神の申し子”と呼べるか?

僕には、違う物が見えていた。

他人の命を気まぐれに操って、適当に人を生かす。
それが“本当”の神だと。



人の命を操って、手の上で転がす、最大で最高で最悪な権力だ。
残酷な真実。
僕には奴が創造主には見えない。
こう思う。

悪魔の誘惑に乗らなかった奴が、本当の悪魔ではないか?
神の子なんてクソくらえ。
信仰に溺れるなら、僕は狂ってしまう。
僕には奴が創造主には見えない。

だって、祈っても答えないし。

天に在す我等の神は、地べた這いずり回って生きる子羊達の声が聞こえない。

だって、遠いじゃないか。


でも、僕になら、きっと。







“何か”が




出来る。




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