10分くらいしたら後ろの席の高木さんが来た。高木さんは見た目大人しそうな古着系の女の子。私はすかさず「おはよう!」と挨拶をした。高木さんはびっくりしながら「あ、おはよ…」私は急に声かけてビックリさせたかな…と思いながらも仲良くなるために話をつづけた。「中学どこだった?」高木さんはオドオドしながら答えた。「k中学」私はk中学に知り合いがいたからまじで?とノリノリで話を返した。すぐに仲良くなり“千昌”と呼ぶようになり千昌は“裕子ちゃん”と呼ぶようになった。
「裕子ちゃんトイレ一緒に行こー」
私は千昌より先にトイレを出て待っていると視線を感じた。鏡越しに女子3人が私を見ていた。私は過去の悪口を思い出し震えだしてしまった。そのとき3人のうちの1人が私のとこにきてお尻を2回叩いた。
「えっ?」
「あ、スカートめくれてたから」
「あ…ありがとう」
お礼を言うとニコッとして「いーえ」と言いクスクスと去っていった。
その子は同じクラスの黒川さんだった。スタイル抜群で可愛いのに気取ってなくてサバサバした子だけど少し怖い印象があった。
私イメチェンしたのに中身変わってない…これじゃ意味ない…と少し弱気になった。
教室に戻り気を取り直して斜め前の席の子に声をかけた。
「おはよう。名前何て言うの?私同じ中学から来た子1人しかいなくて…仲良くしてね」
「あ、うん。唯って言う」唯ちゃんは人見知りなのか冷たい印象だった。私は一瞬怖いと感じたが話を続けた。
「ねぇ、メアド教えて!」
「携帯持ってない」
「あ…そぉ」
「欲しい携帯売り切れてて在庫が届くの待ってて。」
「そっか。じゃぁ携帯届いたら教えて?」
「いいよー」
この日はそれしか話さなかった。