これにはさすがにキレた。
あたしは立って、それを雅男から奪った。
そして、無視されたむなしさと
勝手に決められた苛立ちをぶつけるように…
あたしは自分で書いたデッサンを、
勢いよく破ってゴミ箱に投げ捨てた。
そして、何事もなかったかのように席についた。
周りの子は、みんなびっくりしてる…。
もちろん、杏も……
「あ〜あ、破いちゃって〜…」
雅男があたしを見下ろしながら、
嫌みたっぷりな言い方でそう言ってくる。
めっちゃウザい…!
何が“破いちゃって〜”だっての!
お前が勝手に奪ってったからだろ?
ふざけんなっ!!!

