LHRの時間。

「もう高3なんだからな〜。そろそろ推薦の奴もいるから皆受験を意識するように」



って言われてもなー…


そう、もう10月。
だいたいの行事は終わったし、那南は推薦を受ける予定。



しょーちゃんとあたしは脳みそかわいらしいくらいちっちゃい馬鹿だからねえ、真冬の受験勉強で潰れる予定……はあ。




「ねえねえアリサ」

那南があたしに話しかける。



「ん?何」

振り向くあたし。



「うちさあ、推薦受けんじゃん?したら全然アリサに協力できないと思うんだよね。だからもうそろそろ賭けにいきなよ。わかった?」



「…って言われてもー……。今のあたしに賭けが出来ると思う?」


賭けができてたら今でも片想いしてないよ。



「そうだけど、あんたも昇多もあと1ヶ月もしたら受験勉強佳境で恋なんてしてる暇ないよ?!」



……。那南が言うことは正しいから悔しい。



世間は『当たって砕けろ』って言うけど、


砕けちゃダメなんだよ。
砕けちゃ元に戻らないじゃん!!!