「あ、松川じゃん。なにそんな怒った顔して」 悪気もなさそうに彼女らは言った。 「おまえらさあ、アリサも好きでフッたんじゃねえぞ?」 「そうだけどー。ねえ」 「あっ…」 あたしは那南に手を引っ張られて、那南の後ろへついた。 「それにさー。おまえらも嫌じゃね?あんなクラスの前でバレたら」 「きゃはは。完全嫌だよね(笑)」 「それは別じゃん(笑)」 ―だけど、彼女らはそう言うと、あたしに向かって言った。 「あんたのいつでも皆に守られてるって顔が気に入らないの」