「まだ超暗いじゃん…」



「そりゃそうだろ。始発だし。家つくころには明るいんじゃねえの」




「そっか」




始発。


1時間に一本くらいしかないジモトの電車は、もうサビまくっててボロボロだ。




電車のなかは、あたし達しかいない。





「…しょーちゃん」



ありがとね。


あたし晴には負けたくない。


でもその前に、確かめたいことがある。



「何?」




「学校一緒行こ」


「いいけど」



「ちょっと用もあるから、手伝って」


「いいけど…何の用?」



まだ薄暗い空の下、

あたしたちだけを乗せた電車のなかであたしは言った。





「朝倉君に聞くの。二人の関係」