「でもな」
もうひとつの窓から手が伸びてきて、
あたしの頭に触れた。
「アリサだって、自分の道ってあるだろ。進みたい道。なにか得意なものとか」
「例えば?」
「んー…教師とか?」
「なんで?」
あたしそんなに子供好きに見えるのかな。
「だってちょっと鈍臭いけど面倒見いいし、子供好かれるタイプじゃん。なんだかんだ言って宝良もアリサのこと好きだし」
「そうかなあ…」
教師かあ…
なら小学校の先生がいいなあ。
面白そうかも。
「アリサやっと笑った」
「え?」
「最近イロイロあってテンション低かったじゃん。だから」
かっこいい白い歯を見せて、しょーちゃんが笑った。
好きって言いたい。
―でもあたしには、そんな勇気がない。
「じゃ、また明日」
「…っ」
窓を閉める音がして、前を見るとしょーちゃんはいなかった。
伝わんないかなあ…
超音波とかで。



