……ひっく…… 「誰? 誰かいるんですか?」 ムムは、微かに聞こえてくる泣き声に呼び掛けました。 (ここはさっきの鏡の中?) 「ねぇ、君はどこにいるの? 聞こえてるんなら返事をしてよ」 ムムは鏡の中を歩きます。 けど、どこを進んでも見えるのは鏡に映った自分の姿だけ。 (どこかで誰かが泣いているのは確かなのに……) ――ドサッッッ!! 背後から突然、物音が聞こえてきました。