ふみちゃんが、学校に着くと
仲良しのひろちゃんが、
机の上にきれいなハンカチを広げていました。
そのハンカチには、
大きなピンクのバラの花が描かれていました。

「きれいね。ひろちゃん。」
と声をかけると、
「きれいでしょ。
この間お手伝い一生懸命したから
パパが買ってきてくれたの。」
と話してくれました。

ふみちゃんは少しうらやましくなり、
今朝の話をしてみたくなりました。

「あのね。内緒だけどね。
朝ね、私の部屋にあるカランコエが、話したんだよ。
『お水はいらないよ。』って。」

「どうして?お花が話せるの。」
「うん。わからないけれどね。
昨夜、カランコエが流れ星に
お願いしたんだって。
それで話せるようになったんだって。」
と話している二人の間に
いたずらな手が割り込んだかと思うと
さっとそのきれいなハンカチを奪い取って行きました。

二人は一生懸命に追いかけたのですが、
そのいたずらな手は、
水道のところに持っていくと水をジャージャーとかけていました。

それを見てひろちゃんは、泣き出しました。