ハイスクールラブ

紘季に言われなくても、真奈美は感じ取っていた。
くみこが紘季から離れることができた時、二人の恋を再開させよう。

我慢せず、紘季との関係を続けるのは、今までのくみこの想いを考えると、彼女に失礼な気がした。
その思いは当然紘季の方が強く、真奈美は果たして自分が我慢できるのかと不安がった。
紘季の心配するなと言った言葉を信じるしかない。
真奈美はしばらく続くであろう、『恋愛休戦期間』の充電のために紘季に抱きついてキスした。
紘季は人目を気にして慌てて離れる。

「・・・他の女の人としたらイヤだよ?」
「しないよ」
「たまには電話ぐらい・・・してもいいよね?」
「俺からするよ」

真奈美は、離れがたくてもじもじした。
紘季が優しく微笑んだ。

「・・・また、しげ達とどっか遊びに行こう。クラブはだめだけど」
「そうだ!重ちゃん、高尾山に行こうって言ってたよ!」
「高尾山?・・・なんでまた・・・」

紘季は不思議がりながらも、いいよと言ってくれた。

みんなで高尾山にわいわい楽しく上るのを想像して真奈美は笑った。
クラブとは打って変わって、なんて健康的なのだろう。

そうだ。そして、みんなで春人の話をしよう。

「じゃあ・・・」
「うん・・・」

紘季が立ち去る。
真奈美は紘季の背中を見つめた。
心の中で大きく大きく膨らむ感情を声にする。

「藤くん!大好きーーーーィ!!」

紘季がギクリとして振り向こうとする。
紘季がこちらを完全に向く前に、真奈美は家に向かって走り出した。

自分の前に広がる、漠然とした未来。
形になっているものは何もないが、唯一つはっきりした願いがそこにある。

藤くんとずっとずっと一緒にいれますように・・・。


その気持ちだけはずっとかわらないと、真奈美は強く思った。



終わり